全開でテストする最新フェラーリを無料で拝める場所とは?

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自動車メーカーのテストコースに近づくことは、普通はほぼ不可能だ。能だ。しかし、ピスタ・ディ・フィオラノは違う。マラネロに巡礼に行くなら、フェラーリ博物館やフェラーリストアと並んで、コースが望める場所も絶対に外せないスポットだ。フィオラノは、ファクトリーにほど近い街中に位置する。ファクトリーから続く幹線道路を少しはずれたところにその場所があり、そこに立てば、様々なフェラーリが爆音を上げて疾走する姿を金網越しに見ることができる。時にはF1が走ることもある。
 
フィオラノは、1972 年に建設された3km 弱のコースだ。ロードカーとレーシングカーのあらゆる問題を洗い出すため、様々なシチュエーションを試せる多彩なコーナーが揃っている。1コーナーと6コーナーではエンジンのフレキシビリティが、2コーナーと3コーナーではシャシーの敏捷性が分かる、といった具合だ。また、左コーナーと右コーナーの数を均等にするために立体交差が設けられており、そこを下るとオフキャンバーの5コーナーに続く。ストレートは800m近くあるから、速度も十分に伸ばせる。
 
こうしたディテールに私が気づいたのは、初めてフィオラノを訪れてから何年もあとのことだった。リズムをつかむのに苦労した理由もそれで説明がつく。どのサーキットにも、そこさえ解明すれば全体の謎が解けるような特徴や、2、3の鍵になるコーナーが存在する。ところが、フィオラノはレースコースではない。テストコースなのだ。
 
フィオラノのゲートをくぐるのは特別な気分だ。警備員は、退屈したような顔をしながら抜かりなく相手をチェックするワールドクラスの眼力を備えている。その先の中庭に建つのは、かつてエンツォのオフィスがあった建物だ。ここにオフィスを構えたのは、愛するF1カーのサウンドを聞くためだったといわれている。
 
コースへ行くと、たいてい試乗に訪れたジャーナリストを震え上がらせる光景が繰り広げられている。これからドライブする車が轟音を上げながら立体交差をくぐり抜け、ピット前のストレートを駆け抜けていくのだ。そのさまは色の付いた軌跡にしか見えない。ステアリングを握るのはベヌッツィやデ・シモーネといった名テストドライバーだ。やがて自分の番がやってくる。タイヤスモークを上げながらヘアピン(6コーナー)を立ち上がり、ピット前を飛ばしていくときまでは鼻高々なのだが、ストレートエンドでブレーキングが早すぎ、残りのコーナーでは自信を失って、まごつくばかりだった。
 
そして最後には、自分がベヌッツィより1周5秒も遅いことを示す公式のタイムシートを渡されるのだ…。

Words: John Barker

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