こんなスタイルのフェラーリも?│現存1台のモデルがオークションに

RM Sotheby's

フェラーリ330GTCといえば、それだけでも充分に価値のある車であるが、世界に1台しかない330GTC Zagatoが5月25日にイタリアのコモ湖畔で開催されるオークションに出展される。

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なぜ、このような普通ではない姿になったのだろうか。そのヒストリーを見てみよう。1967年に、北米でフェラーリディーラーを営んでいたルイージ・キネッティが新車でこのシャシーナンバー10659の330GTCを購入した。最初のオーナーは5年ほど所有し、次のオーナーへと売却。しかし、この2人目のオーナーが事故を起こしフロントにダメージが入ってしまったという。修理のためにルイージ・キネッティのもとへ預けたのだが、イタリアへフェラーリを戻して修理を施す良い機会だとキネッティは考えた。



そして、イタリアへ車を戻し、カロッツェリア・ザガートでユニークなコーチワークをしてもらうことにしたのだ。このスタイルはフェラーリで類を見ないもので、タルガルーフに角ばったボディをしておりミケロッティ作のデイトナ・ナート・スパイダーを彷彿とさせる。1974年には、ジュネーブモーターショーのザガートスタンドに展示された。2人目のオーナーはキネッティからまたこの車を売ってもらい、1990年代まで所有していたそうだ。

1996年のペブルビーチコンクールデレガンスにも出展され、様々な雑誌に取り上げられていた。10年前にドイツ人コレクターが購入し、現在売りに出されようとしている。



由緒あるコンコルソデレガンツァ・ヴィラデステにも出展されていたということからもコンディションの良さはうかがえる。次はどのような人物のもとへ渡り、大切にされていくのであろうか。これから刻まれていくヒストリーも気になるものだ。


オクタン日本版編集部

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