ホーチミン生まれの、優れたバンパー│1965年型 アストンマーティンDB5

octane UK

クラシックカーのバンパーを作るために、デザインは海を渡る。これは、ウィルトシャーのミッチェル・モーターズに依頼したバンパーの製作の話だ。催促しながら半年が過ぎた頃、一部の部品は取り外され、計測・撮影され、それからボディワークのパターンが作られて、ホーチミンへと任務は渡された。

以前はサイゴンとして知られていた、ベトナムのホーチミン市にある32,000平
方フィートのハリントン社の工場では、300種類ものクラシックのバンパーが作られ、1/2スケールのレプリカが数多くある。ハリントン社の運営ディレクター、リー・ファンは「他にもステンレスのバンパーを作ることができる業者はあるけれど、私たちほどの質はないのよ」と自信を持って語っている。

ハリントン社は、ファンと彼女の元パートナー、ネイサン・レッドファーンに
より2003年に設立された。彼は以前からクラシックカー業界で働いていて、ベトナムの技能と賃金の安さから、古い車の部品を作る労働集約型のビジネスができると確信していた。それを聞くと、職人たちは過酷な労働環境の下、相応の待遇を受けていないのではないか、といった疑念も浮かぶ。



「現在60人の従業員がいて、定期的に増えています。一番の売りはサイゴンの
中心地から30分ほどの立地に、”イングリッシュ・ホイール”とそれを扱う技術があるということ」とファンは言う。待遇についても、以前は平均月収の100ポンドの倍の収入を渡していたそうだ。「月末に200ポンド渡したところ、従業員は翌日仕事に来なかったの。それも勉強だったわ。今では健康保険に加えて、月におよそ150ポンドの給与を支給しているの。ベトナムの雇用法も理解しているから、従業員の扱いには自信があるわ」と彼女は話す。ハリントンで最も優秀な技術をもつ板金工は、スケールレプリカの全ての車体製造を任されていて、なんと毎月650ポンドも稼いでいるそうだ。ホーチミンにいるハリントンの技術者は、高い製造技術を持ち評価も受けている。

数日前、私は自分の銀行口座が空っぽになっていることに気づいた。Paypal経由でここのバンパーを買ったのだ。後は届くのを待ち、価値のある買い物だったことを見極めたい。

抄訳:BE-TWEEN Translation: BE-TWEEN

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