初心者マークを付けたフェラーリ│最初の車はショーカーの250 SWB?

Artcuriel

マクラーレンM1B、グループB仕様のランチア037、ポルシェ935、アルピーヌA110、ドラージュD6 3リッター・グランプリなど、レーシングヒストリーを持つマシンが目白押しのオークションがあった。特に、目玉の1台はひと味違う。1961年パリ・サロンのショーカーだったフェラーリ250 SWB、シャシーナンバー2917GTだ。

輸入業者のフランコ・ブリタニック・オートモビールがパリ・サロンに出展すると、ジャック・フィルディエという人物が購入し、すぐに青のボディを黒に塗り直した。その後また塗り直され、元オーナーが1969年に目にしたときには伝統的なレーシングレッドになっていた。何とも羨ましいことに、オーナーは当時22歳で、免許を取って最初の車としてこの2917GTを手に入れたのだ。

父親から初心者向けの車を買うようにと金を渡されたオーナーは、プジョー204サルーンを買うつもりでモンレリーにある販売店にやってきた。ところが、3週間の交渉の末に、わずか176台製造の250 SWBのオーナーになっていたのだ。その値段は2万500フラン(約225万円)だった。

それ以来ずっと手放さず、週末にブルターニュの田舎道でドライブを楽しんだ結果、走行距離は約10万km に達した。丁寧なメインテナンスと化粧直しのおかげで、2917GT は今も素晴らしいコンディションを保っている。50年の月日が経った今、どのようなオーナーが保有し、どのような乗り方をしているのかは分からない。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO( Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words: Matthew Hayward

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