アメリカでカルト的人気を誇るマッスルカー、ビュイック・リーガルGNX購入ガイド 

Image: Octane UK

パワフルなV8エンジンを誇ったアメリカのマッスルカーも、1980年代になると排ガス規制で影を潜め、出力200bhpがやっとという状況だった。そんな中、小型の3.8リッターV6エンジンで300bhp以上を発生した当時最強のマッスルカーが、ビュイック・リーガルGNXだ。

リーガルは1978年から、まだ歴史の浅いターボチャージャーとV6を組み合わせて人気を博した。NASCARでの成功を受けて1982年にグランドナショナル仕様が誕生。1987年に丸みを帯びた前輪駆動にモデルチェンジするが、その前に最後を飾る限定モデルが造られた。グランドナショナル500台がアメリカのマクラーレン・エンジニアリング社に送られ、そこでGNXに生まれ変わったのだ(Xは「実験的」を意味するエクスペリメンタルから)。

マクラーレンはターボチャージャーの反応を向上させ、インタークーラーや吸気パイプの改良で効率をアップ。また、ECUに手を加えてブーストレベルを高めることに成功し、リアサスペンションも大幅に強化した。外観は威圧感たっぷりだ。547台すべてがブラックで、『Car and Driver』誌は「ダース・ベイダーの車」と呼んだ。

クォーターマイルを12秒台で駆け抜ける加速力で、発売と同時にカルト・クラシックとなった。今も非常に人気が高く、この5年で価値が上がっている。GNXは様々な意味で、古きよきマッスルカーの“トリ”を見事に飾ったのだ。

■価格
トップクラスのものは12万ドル以上、比較的状態のよいもので8万~9万ドル、エントリーレベルでも6万ドル弱。2017年に22万ドルの高値で落札された例も。

■注意点
偽物も珍しくないので慎重に確認しよう。セットアップには専門的知識が必要。複製の難しい専用パーツが揃っているか、事故歴がないかも要チェック。

抄訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

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