デル太とわたし①はじめてのマイカーを購入するまで&納車の日のこと

オクタン日本版編集部



数日間、悩みに悩み(本当は大して悩んでいなかったかも)ついに、勢いで購入してしまった。2月終わり頃の晴れた日、バイト(多い時では4つ)を掛け持ちしたりしながら、学生時代で貯めてきたお金を一括で振り込んだ。振り込んだので確認してください、と連絡をしたらすぐに「確認しました」と返信をいただいた。購入した実感が湧いたのは、そのメールを受け取ってではなく、減った口座残高を目にしてのことであるが。

デルタに名前を付けた。デル山デル太(以下デル太)。なんてひねりの無い名前なのかと思うであろうが、個人的には気に入っている。

埼玉に保管してあるので、取りにきてください。とのことであった。3月3日、冷たい雨が降る中電車に揺られて父(ドライバー)と共にデル太に会いに行った。その電車の中では、ワクワクと、一抹の不安を抱いていた。結構ヘビーな雨であったためちゃんと走れるかな...という心配と、実車を見ないで購入してしまったため、私の頭の中にあるデルタの姿と違ったらどうしよう...という今さら感満載の気持ち。

駅について、タクシーで倉庫に向かうとオーナーの方が既に来ていた。雨ですね、なんて挨拶をしたら早速シャッターが開き、デル太が現れた。感覚としては、"昔、恋焦がれた人に8年ぶりに会うとき全身に流れるドキドキ感"といったところであろうか。(注:その経験をしたことはない)現れたデルタを見ると、ショックが走った。



「かっこいい!!さすがジウジアーロ!!」それが最初の印象だった。寡黙で芯のありそうな子だ。あまり感情を出さないようにはしていたが、心の中ではニヤニヤ。コンペティツィオーネ仕様の塗装がされていて、それがちょっと嫌だったのだが実際に見てみるとボルドーのボディによく合う。色々とこれまでの整備履歴や、スイッチの説明などをしてもらっていたが、その中で「雨の中で走ったことないんですよね...」という言葉が耳をよぎった。デル太初の雨降り走行が、デルタ初のオーナーになるのか...。不安には思いながらも、ワイパーは一応動いているしとりあえず帰ることに専念しよう...





父にハンドルを任せ、帰宅を目指す旅のはじまり。ヒーターはちゃんと効くか分からないから、と厚着をしていったが問題なく効いていた。しかし、走っていると窓の曇りがひどく、途中でクリーンビューを購入するため車用品専門店へ駆け込んだ。デル太と一緒に行ったはじめての場所だ。屋内の駐車場に停めて改めて見てみると、外ではレッド感が強かったが、暗めのところではブラウンレッドのように見える。渋くてかっこいい...。ルンルンしながら「これはいる?これはいらない?」と店を周り、曇り取りや小さいタオルを購入した。早速、使用してみたがすぐに曇ってしまう。信号で止まるたびに拭いて...というのを繰り返しながら、2件目の車用品専門店に駆け込み、もっと効きそうなクリンビューを購入。今度のものはしっかりと効いてくれた。ドライバー曰く、「この車には生命を強く感じる」。私も早く、運転したい気持ちが募っていく。


1件目の駐車場にて 1987年 ランチア デルタ 4WD

雨の中の渋滞にはまったりもしてひやひやしながらも、無事に帰宅。その日は雨であったため一旦車庫に入れて、デル太との初日を終えた。バッテリーのことや、メーターのことなど色々と心配なことは発見されたが、それは晴れた日にまた走らせて様子を見てみよう、と。

ハラハラドキドキ、内気なデル太くんとの何が起こるかわからないカーライフが幕を開けた!

次回は、「デル太と行くはじめてのガソリンスタンド&高速に乗って祖母を訪ねるの巻」

オクタン日本版編集部

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