オーストラリアに行くなら必訪!マウンテン・キング ミュージアム

Photography: BARRY WISEMAN

バサーストには歴史がある。曲者とされるこのサーキットでのクラッシュや、山の王による圧倒的な勝利など、多くの人の胸に残る思い出が眠る地なのだ。この町に訪れた際にはぜひ立ち寄って欲しい場所を紹介しよう。

このサーキットは「マウント・パノラマ」としても知られており、年に一度の1,000キロレースの地でもあるが、いつでも走ることのできる公共の道路でもある(もちろんレース中以外の話ではあるが)。ゴール前のストレートに沿って走り、ピットを越えると山頂へ向けて左へ直角に曲がる「ヘル・コーナー」に入っていく。頂上付近では、様々な角度のコーナーが連続する。そして、バイクレーサーのフォレストが転落し、路上に肘のほとんどを置いてきてしまったことから名づけられた「フォレスツ・エルボー」に入る。次に「コンロッド・ストレート」で山を下り、まさかの170mphを記録しながら、ラストのストレートに入る。



最後のコーナーの横には、『オーストラリア・ナショナル・モーターレーシング・ミュージアム』が見える。そのエントランスの外には、1988年にこの博物館を開いた地元のアイドル、ピーター・ブロックの記念碑がある。

”ブロッキー”の愛称で親しまれた彼は、2006年にタルガ・ウェスト・ラリーの事故で亡くなるまでにバサーストのレースで9回の優勝を誇り、キング・オブ・ザ・マウンテンの称号を勝ち得た。記念碑では、1984年の1,000キロレースで彼を勝利に導いたホールデンの1984年製コモドアVKの屋根の上に立つ雄姿を拝める。彼の姿は、博物館の随所で見ることができ、彼のキャリアを映像で楽しむことができるコーナーもある。

博物館の車を見ていくと、競技マシンを作るオーストラリアの能力に感心するだろう。バイク、トロフィー、ポスター、記念品などの特別な展示や、常時流れているレース映像も見ることができる。



企業、個人問わずに展示用に車を貸し出したこともあるが、その殆どは今も博物館が所有している。展示されている車の中にはレプリカもあり、その多くは定期的な修復とメンテナンスも担当しているバサースト・リージョナル・カウンシル・ワークショップが手掛けている。

近くにはバサースト・ビジター・センターがあり、上質なブラシワークが施された車やバサーストの山を越えた最古の車などが”Cobb & Co”の駅馬車の脇に停められている。また、近くには世界王者で、地元の英雄でもあるブルーイー・ウィルキンソンに捧げられた、『アッシュ・スピードウェイ・ミュージアム』もある。

Words: BARRY WISEMAN Transcreation: Shawn Mori (BE-TWEEN)

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