翼を広げて駆け抜ける│ガルウィングが刻んできた栄光の数々

ヨーロッパ、アメリカ、メキシコ... 1950年代に300 SL クーペが世界各地を走り抜け、ラリーをしていた姿は、さぞ印象に残るものであったであろう。これは300SLが活躍した場面のハイライトである。


Carrera Panamericana  メキシコ  1952年 11月
3台の W194 SL プロトタイプをレースにエントリーした。長く、危険なレースであったがワンツーフィニッシュという輝かしい歴史を刻んだ。ガルウィングクーペとロードスター、2タイプの量産スポーツカー開発をスタートするきっかけとなる。


Liège-Rome-Liège Rally  ベルギーからイタリア  1955年 8月17日~22日
ル・マンで4度の勝利を獲得したベルギー人レーサー Olivier Gendebienが、Pierre Stasseと300SLで5000kmにも及ぶ過酷なラリーに参戦した。ガルウィングを見せつけることを楽しみながらも、2位でゴールを果たした。




Rallye Del Sestriere   イタリア  1956年2月24日~28日
ドイツ人レーサー Walter SchockとRolf Mollのペアが勝利を修めた、イタリアとフランス国境を舞台とするラリー。ライバルにはBMW 502やアルファ・ロメオ 1900 TIがラインナップ。また、2リッターグランツーリスモクラスに参戦していたガルウィングがもう一台おり、2位を獲得している。






Liège-Rome-Liège Rally  ベルギーからイタリア  1956年8月29日~9月2日
Olivier Gendebienが修めた栄光をまた獲得するため、グリルを取り除いたSLで参戦し1位を獲得する。しかし、SLとしてはあまり良い成績とはならず4位にもう1台入ったのみであった。ポルシェ 356 カレラが2位で、フェラーリ 250GTが3位。




Swedish Grand Prix  スウェーデン  1955年8月7日
この写真はコペンハーゲンを通過している風景。写っている3人男性は左から、スターリング・モス、フアン・マヌエル・ファンジオ、カール・クリングである。ゼッケン33の1台は、ツーリングクラスにエントリーしていたもので、カール・クリングがステアリングを握った。




Motor-Paced Cycling World Speed Record  ドイツ  1962年7月19日
速い車を盾として、その後ろを同じ速さで自転車に乗って走る。ガルウィングの後ろに付き、時速200km以上、127mphを記録した。




現代では、ガルウィングは"インパクトのあるメルセデス"というイメージが強いかもしれないが、あくまでも数々のレースやラリーで歴史を刻んできた"正真正銘のスポーツカー"であることを忘れないでいただきたい。


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