マイクロカーとリーンマシーン|Jack Yamaguchi’s AUTO SPEAK Vol.4

トヨタi-ROAD



1 トヨタi-ROAD
川上完さんと一緒に乗りたかったクルマがトヨタi-ROADだ。彼が要件とした2ドアで、前後にふたりが乗れる。「人、動物、鳥、バイク、ボート、飛行機は、すべてコーナー内側に傾いて回る。唯一、不合理にも外側に傾くのが自動車だ」とは、あるキャンバーカーを構想、実証した技術者の言葉。i-ROADは、巧妙な機構、制御で内側にリーンし、コーナーを楽しくクリアする。完さんが乗ったら必ずや気に入ってもらえたであろうファンカーである。




2 AC ソーシャブル
完さんがブルックランズ・ミュージアムの片隅に見つけ、思わず歓声を上げたのが奇妙で小さなオープン三輪車、ACソーシャブル。前2輪の三輪車で、リア単気筒エンジンが後輪を駆動する。操舵は1本ハンドルである。右に一部が見える黄色のソーシャブルは、ドライバーシートがパッセンジャーシート背後に位置するタイプ。幌を上げると、ドライバーの視界は極端に狭まる。




3 ボンド・ミニカー
第二次大戦後、イギリスの三輪車の購入税免除と高価で時に不足がちのガソリン事情に対応する庶民の足として、1949年から66年まで累計2万5000台が売れたのがボンド・"ミニカー"だ。2ストローク単気筒エンジンとMT一体化し、前1輪に取付けたユニットを操舵する基本構造は、最後まで変わらなかった。初期型は後輪にバネのないリジッドであったが、B型ではモーガンのようなスライディングピラー、52年のMk.Cから58年のMk.Fには、トレーリングアーム式リアサス、アレックス・モールトンの"フレシキター"スプリングを採用した。アレックスによると、フレキシター型は1万8000台売れたという。写真は4人乗りMk.Cである。



Kyoichi Jack Yamaguchi

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