勝手にブレーキがかかる小さなサソリ│雨の中パレードに参加してみたら

私が所有しているフィアット・アバルト・スぺリマンターレは、コンポーネント一式を交換した後にも関わらず、勝手にフロントブレーキがかかってしまうという不調が起きていた。気まぐれにブレーキがかかるのだが、それは決まって私が誰かといて修理を出来るような状態の時ではなくて、私が1人でいて恥さらしになるような時に限って起こるのだ。

近所のガソリンスタンドに停まっていたら、ブレーキがかかっているのに気付いた。その時、ちゃんと原因を解決するまで自宅のガレージに停めておこうと決心した。

1時間ほど放っておけば、勝手にかかったブレーキは勝手に直っている。ユーゴスラビアで製造されたらしいマスターシリンダーに原因があるのではないかと思った。イギリスを代表する伝説のF1レーサーであるマイク・ホーソンを讃えるパレードに参加できることが決まったため、すぐにレストア屋まで運んだ。どうやら、ブレーキの戻りが悪かったようだ。パワフルなスプリングに換えたら、魔法のように解決してしまったのだ。

パレードの日は、イギリスの変わりやすい天気らしく、雨が降った。金曜も日曜も晴れであったのに、土曜日はダメだった。私のアバルトはルーフがあるのだが、雨はどこからか入り込み、容赦なくインテリアを濡らしたのだ。幸いにも、助手席に乗っていた人物が走行中に窓を拭いてくれていたため視界は大丈夫だった。しかし、これは普通のスポーツカーサイズの車ではできないことだ。窓が遠すぎて、サイボーグでもない限り、走行しながら窓を拭くなんて不可能であろう。この小さな車には、モップスティックを常備しておこうと思う。



翌週はよく晴れた。太陽に、暑い空気の中でもアバルトを走らせる元気を与えられ、エアロ・クラブ・カフェにベーコンサンドを食べるためにグッドウッドへ向かった。今となっては直ったこの車を走らせることに理由などいらないが。

Words: Delwayn Mallett

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