フェラーリ、カウンタック、アストンマーチン、コルベット…スーパーカーNo.1に選ばれた車種とは?

スーパーカーNo.1は果たして



結論
さて、ここに集まった4台を何かのデータで評価するのはナンセンスな話だ。結論をひと言でいおう。ベストはフェラーリだ。そこに、何かの計測値があるわけではない。ただし、きっとあなたも同意してくれるはずだ。F40に関していえば、完全に情熱がロジックを追い越している。もちろん、1980年代のフェラーリだから優れたクォリティは期待できない。質の高いクルマが欲しいならポルシェに乗ったほうがいい。それに実用性が高いとも言いがたいが、まさかF40を買って普段の買い物に使おうという物好きもいないだろう。

いっぽうのカウンタックは、ゆっくり走らせていると辛いばかりだ。それにこのクルマを走らせるのに、イギリスは狭すぎる。広々としたところで走らせ、レッドゾーンまで回しきったときのエンジンの咆吼を聞くがいい。きっと、"音量"という言葉の意味を思い知らされるだろう。

アストンが敗者となったのは、アイコンとして選ぶにはその成り立ちがわかりにくいことに理由がある。けれども、ザガートがデザインしたボディはアピール度満点。しかも、乗り手のスピード感覚を麻痺させてしまうほど速く、イギリスの幹線道路を走らせても楽しい。そして"エグゾーストノート賞"でいえば、この4台のなかで2位に入るほどそのサウンドは素晴らしい(ちなみに優勝はカウンタック)。

そして、コルベット。シェビーを見下すのは簡単だ。ただし、簡単だけれど間違っている。われわれはZR-1に感動しないドライバーを決して認めないだろう。そしてZR-1で真に特筆すべきは、スーパーカー並みの速さを持ち合わせていることではなく、クルマとして素晴らしく洗練されている点にある。しかも、このクルマはいま1万8000ポンド(約310万円)で売りに出されているのだ。もしも今日の結果をロジカルに判断し、コストパフォーマンスも判断基準として盛り込むのであれば、ウィナーはZR-1だったかもしれない。

しかし、われわれはロジックとは無縁な人種である。したがって、やはり勝者はF40である!

もっと写真を見る

ランボルギーニ・カウンタック QV500
エンジン:5167cc V12 DOHC 48バルブ ウェバー44DCNF×6基 最高出力:455bhp/7000rpm
最大トルク:340lb-ft(47.0kgm)/5200rpm 変速機:5段MT+後輪駆動
ステアリング:ラック・ピニオン サスペンション(前):不等長ウィッシュボーン、コイルスプリング、テレスコピックダンパー
サスペンション(後):ロワー・リバースド・ウィッシュボーン、ツインコイルスプリング、テレスコピックダンパー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車重:1490kg 性能・最高速度:182mph(約291km/h) 0-60mph:4.8秒

フェラーリF40
エンジン:2936cc ツインターボV8 DOHC  32バルブ インジェクション 最高出力:478bhp/7000rpm
最大トルク:426lb-ft(58.9kgm)/4000rpm 変速機:5段MT+後輪駆動 ステアリング:ラック・ピニオン
サスペンション(前+後):ダブルウィッシュボーン、同軸スプリング、テレスコピックダンパー、アンチロールバー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車重:1104kg 性能・最高速度:201mph(約322km/h) 0-60mph:4.5秒

アストンマーティンV8ザガート
エンジン:5341cc V8 DOHC ウェバー48IDF(ボアを50㎜に拡大)×4基
最高出力:435bhp/6200rpm 最大トルク:395lb-ft(54.6kgm)/5100rpm
変速機:5段MT+後輪駆動 ステアリング:ラック・ピニオン(パワーアシスト付き)
サスペンション(前):ウィッシュボーン、コイルスプリング、テレスコピックダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):ド・ディオン、コイルスプリング、アジャスタブルダンパー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車重:1590kg 性能・最高速度:186mph(約298km/h) 0-60mph:4.9秒

シボレー・コルベット ZR-1
エンジン:5727cc V8 DOHC 32バルブ 燃料噴射
最高出力:405bhp/5800rpm 最大トルク:385lb-ft(53.2kgm)/4800rpm
変速機:6段MT+後輪駆動 ステアリング:ラック・ピニオン(パワーアシスト付き)
サスペンション(前):不等長アルミ製コントロールアーム、横置きグラスファイバー製リーフスプリング、テレスコピックダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):5リンク、アルミ製アッパー/ロワー・トレーリングアーム、横置きグラスファイバー製リーフスプリング、テレスコピックダンパー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車重:1571kg 性能・最高速度:180mph(約288km/h) 0-60mph:4.9秒

編集翻訳:大谷 達也 Transcreation: Tatsuya OTANI  Words: Richard Heseltine  Photography: Paul Harmer
謝辞:F40とアストンのオーナーであるアンディ・ウッド、カウンタックのオーナーであるタデック・リピンスキー、ZR-1のオーナーであるマーティン・コルビルに心から感謝する。

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事