評価されるべき陰の存在│ランチア・フラミニア・ベルリーナ

大きなボディを持つクラシックのサルーン車は、クールな存在になることもできるが、ファッション性に欠けているように見えてしまうこともある。しかし、このランチア・フラミリア・ベルリーナは、イタリアだからこそつくりあげることができた高貴な印象を抱かせる車だ。

ピニンファリーナがて手がけたこの1台はクーペや他のコーチビルトモデルとは異なり、トリノのランチアハウスで製作された。1957年のトリノ・モーターショーでは、フロリダのプロトタイプに影響を受けているこのスタイルで存在感を放った。

前に登場したアウレリアよりも大きい車体と、ランチアの伝統的なデザイン持っている。ランチアは市場マーケットでブランドを成長させることが目的にサルーンを発表したのだ。エンジンはアウレリアのV6エンジンより発展し、2.5リッター 102bhpのパワーである。110bhpモデルが1961年に登場し、更にパワーアップした2.8リッター 110bhpモデルが翌年発表されている。


しかし、102bhpでは1440kgの車体を動かすにはパワー不足であった。とはいえ、早く走ることはできたし、何よりも快適で美しいサルーンであることを考えると、仕方のないことである。 

それだけでなく、この車には魅力的なディテールの数々が詰め込まれている。ウィンドワイパーですらかわいらしい。ダッシュボードもエクステリア同様にエレガントで華美だ。

フラミニアのコーチビルトは1957年から1970年の間で様々なカロッツエリアハウスがおこなっていたが、ベルリーナだけがオリジナルをうまく残しながら、13年間で全3943台を製造した。これは、ピニンファリーナが手がけたクーペよりも少ない。ベルリーナモデルは輸入向けでよく売れ、特にアメリカでは人気を集めたのであった。 

ベルリーナは、ピニンファリーナやザガート、トゥーリングなどに比べると、どうしても影の薄い存在だろう。しかし、マセラティクアトロポルテなどを見てもイタリアンサルーンを製造することの重要性が分かる。フラミニア ベルリーナは素晴らしい車であるにも関わらず、多くのイタリアンコーチビルダーに埋もれてあまり注目されていない、"被害者"といっても過言ではないだろう。 このような陰の存在にある車を見つけて、新しい魅力を感じてクラシックカーの世界を楽しんでいきたいものだ。


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