ジャイアントキラーと呼ばれた常勝マシーン"アルファロメオ・ジュリアGTA"

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イギリス人ドライバーにとってのGTA

ロディ・ハービー・ベイリーはアウトデルタのワークスドライバーとして、1960年代と70年代にGTAに乗っていたほか、これ以外にも、様々なクルマのテストやレースを行なっていた。この経験からサスペンションのチューニングに詳しく、ロディ・ハービー・エンジニアリング社も設立した。



「デレック・モーリーというプライベートチームのためにイギリスでアルファGTAを乗り始めました。私が好成績を収めたので、アウトデルタがメカニックを派遣して、リアアクスルのスライディングブロックなど特別な部品を装着してくれました。スライディングブロックは効果絶大で、リアアクスルを横方向に正しく固定してくれるので、リアの無用な動きがなくなり、ステアリングによるコントロールが楽になったのです」

「ガイドの間でブロックを滑らせるという構造上、潤滑オイルが重要で、オイルが適切でないとブロックが固着し、前輪を浮かせるGTAの独特のコーナリングに支障をきたす可能性がありました。スネッタートン・サーキットのコラムコーナーで、毎周のようにオーバステアになったことを覚えています」

「イタリアへ行き、アウトデルタと共にテストしてワークスカーをドライブしてきました。私はアウトデルタでレースしている唯一の英国人で、1968年にスネッタートンのオートスポーツ500kmでクラス優勝しました。この時は、イタリアからは5台が出場するはずでしたが、何らかの事情で1台だけしか届かなかったのです。凄まじく汚れていましたが、メカニックたちには心配している様子はなく、パフォーマンスだけを心配していました。私はせめて洗車くらいはするように説得しましたよ。最近、ヒストリックカーレースでGTAが一列並んでいるのを見て、何か雰囲気が違うなと思いましたが、それはすべてピカピカに磨かれていたからなんですね」

「すべてのファクトリーカーは左ハンドルで、右回りの多いサーキットで、負荷のかかるタイヤの上に並んで座ることになりますから、私はそれが好きでした。ところが、左ハンドルのGTAではバッテリーが左前、燃料タンクが左後、加えてドライバーやステアリング系統もすべて左側に搭載されているので、車重が左よりになっているのです。そのため、右ハンドルのGTAは、左のGTAより走りのバランスが崩れるのです。英国人の私はその違いを感じる事ができるので、幸運だと思います。もうエンジニアではないですが、クルマを運転してハンドリングを良くするためにどうするのかはわかります」(Robert Coucher)


編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)
原文翻訳:数賀山 まり Translation: Mari SUGAYAMA
Words: Robert Coucher Photography: Tim Andre

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