華麗なクラフツマンシップが出逢う時

170年を超える歴史を持つドイツの高級時計ブランドであるA.ランゲ&ゾーネ。洗練されたスタイリングと繊細な技術が落とし込まれたコレクションの数々。コンコルソ・ヴィラ・デステなど世界的なクラシックカーのコンクールデレガンスのスポンサーも務める。今回は、自身もクラシックカーエンスージアストである、ランゲCEOヴィルヘルム・シュミット氏に時計とクラシックカーの親和性について伺った。

A.ランゲ&ゾーネのはじまりは1845年に遡り、創業以来、刻まれてゆく時を大切に想う人々に支持され続けてきている。すべての時計には、手作業で入念な装飾と組み立てが施された自社開発ムーブメントを搭載し、生産されるのは毎年数千本のみ。第2 次世界大戦後に一時休眠を余儀なくされるも、1990 年に再興を果たし、最初のコレクションを発表した。1994 年以降に開発された自社製キャリバーは62 個を数える。そして現在では、世界でも最高峰の地位を確立しているのだ。



A.ランゲ&ゾーネの本社CEOであるヴィルヘルム・シュミット氏は、時計とクラシックカーという2つの芸術品に対して、共通要素を見出している。シュミット氏が時計に求めるものは「美しさ」と「高度で繊細な技術」。A.ランゲ&ゾーネのコレクションには、華麗でありながらもロマンチックな儚さを感じられる。そこには時計それぞれの個性があり、時計1 本1 本を造り上げる人々の想いも込められている。彼はそのような「クラフツマンシップ」と「唯一無二」を愛しているからこそ、時計もクラシックカーも大切にしているのだ。

「時計ばかりの場所ではなく、ブランドとしても価値観の合う人々が集まる場へ参加をしたい」とシュミット氏が語っている通り、今年はイギリスで最も長い歴史を持つクラシックカーのコンクールである、コンクール オブ エレガンスのスポンサーを務め、会場では大きな時計オブジェを展示し存在感を見せた。コンクール オブ エレガンスの会場ハンプトンコート宮殿では、白衣を身にまとった職人が実際に時計の組み立て作業を行っていた。なぜ、クラシックカーが主役の場で、実際に作業をしているところを見せていたのか問うと、「時計がいかに繊細な作業を経て組み立てられているのかを実演し、A.ランゲ&ゾーネのクラフツマンシップを伝えるためです。極めて細かな作業の積み重ねで時計はできているのです。」と語った。

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例えば、A.ランゲ&ゾーネの時計パーツはほとんどが自社製造されたもの。2度にわたる組み立てにより完成する。テンプ受けには手彫りのエングレービングが施され、同じ時計は世界に1つたりとも存在しないのだ。また、コンクールに出展されていた1957 年フレーザー・ナッシュ・ル・マン・クーペは彼が所有する車である。きけば1963 年製のMBGロードスターを自分で手に入れた17 歳の頃からクラシックカーと共に生活しているとのこと。なぜ、当時その車を選んだのかと伺うと、「自分と同じ年の車が欲しかったのです。それに、この車は9台しかなく、周りでは持っている人なんていないから。私の親は全く気に入りませんでしたけどね」と楽しそうに話してくれた。

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そんな彼であるが、クラシックカーに興味を持つきっかけが周囲の環境にあったわけではないという。ただ、それぞれの個性がデザインにしっかりと存在すること、自らの手で運転している感覚を味わえる車が好きだという。クラシックカーを愛して共に生きる人々にとっては共感できる要素であろう。

"時計とクラシックカー"、大きさや風貌は違えども、どちらも、ものづくりへの情熱を持った人々の想いと技術によって華麗な時を積み重ねた姿が体現化されているのであった。今後、A.ランゲ&ゾーネが生み出す作品はもちろんだが、どのようにクラシックカーと関わり合っていくのかについても注目していきたい。

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1815 Chronograph 1815クロノグラフ
A.ランゲ&ゾーネのコレクションの中でも高い人気を誇る1815クロノグラフに2つのピンクゴールドモデルが加わった。1815シリーズのトレードマークであるアラビア数字と線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りは、1995年以来、クラシックなデザインと精巧な機構と機能性の融合を象徴したもの。また、脈拍目盛りを備えていたかつての懐中時計へのオマージュとしてこの作品にも脈拍目盛りが搭載されている。ゴールド無垢製の2つのボタンは、クロノグラフ機能とフライバック機能の両方を操作するためのもので、押しやすい形状になっているのだ。同モデルはブ
ラック・ダイヤルバージョンとシルバー・ダイヤルバージョンの2色展開となっており、それぞれのモデルが個性を持つ極めて端正でエレガントな顔を持つ。

ムーブメント: ランゲ自社製キャリバーL951.5
パワーリザーブ:完全巻上げで60時間
ケース:ピンクゴールド
径: 39.5 mm、厚:11.0 mm
ベルト:手縫いアリゲーターベルト ブラック(ブラック・ダイヤルバージョン)
手縫いアリゲーターベルト レディッシュブラウン(シルバー・ダイヤルバージョン)
価格:610万2000円(税込)

文:オクタン日本版編集部 写真:奥村純一 Words::Octane Japan Photography:Junichi OKUMURA

A.ランゲ&ゾーネ TEL: 03-4461-808

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